2025年2月11日火曜日

内田正宏さんに関わる資料集

 


内田 正宏(1939-2004さんが亡くなられてからもう21年が経てしまった。

「去る者は日々に疎し」と言うが、内田さんのお名前を菌学の世界で目にすることもなくなった。いっときはアマチュア研究者(きのこ料理研究家)として菌学あるいは変形菌の世界で名を馳せたのに!


内田正宏さんの多岐にわたる仕事を記録しておきたく、以下のように纏めてみた。

 

雑誌類

日本菌学会会報 

32巻 113-124頁 1991

Courtecuisse R., M. Uchida, C. Andary and T. Hongo

A new Asiatic species of Pluteus (Basidiomycotina, Pluteales) with dotted pileus, and its variations

 

日本菌学会ニュース

13号(1989-21990

ワサビタケについて 91

15号(1990-21991

仙人の個展を見て 117

 

変形菌 「日本変形菌研究会」

No. 8 1987

昭和61年度採集会報告 27-30

No. 9 1988

伊藤春夫氏と変形菌について 1-5

No. 12 1994

外国の書籍購入、私の場合 7-8

No. 17 1999

Lycogala leucopodia  1

 


冬虫夏草 「日本冬虫夏草の会」

No. 6 1986

トビシマセミタケとホルスト・シュタイン 16-17

No. 7 1987

その後のホルスト・シュタインとワルツ 38-39

No8 1988年 

シベリウスとニッコウムシタケ 21-22頁 

No. 9 1989

「夏の夜の夢」とサナギタケ 23-25

No. 10 1990

すてれんきょう 36-37

No. 11 1991

蕎麦余聞 16-18

No. 12 1992

フランス料理に登場するキノコ達 34-37

No. 13 1993

続蕎麦余聞 11-13

 

夢自然きのこ2 きのこの目利き.山と渓谷社、1993

153頁 私の本棚から 冬虫夏草ならぬ“冬人夏草”?不思議な教授が主人公の小説

 

単行本

「キノコの不思議」に載る「絶品!キノコ料理」では森 毅先生の質問に答える形でキノコ料理について蘊蓄を傾けておられる。他の書籍ではきのこ料理について分担執筆されている。

内田正宏・伊沢正名・川嶋健市(著)キノコの本:育て方と使い方、文化出版局, 1983

茨城新聞社出版センター (編)茨城のきのこ.大谷吉雄(監修)、 伊沢正名・内田正宏・川嶋健市(解説・写真)、茨城新聞社、1984

横山竜夫・内田正宏・伊沢正名(著)キノコ採りの楽しみ.永岡書店、1985

森 毅 () キノコの不思議 :「大地の贈り物」を100%楽しむ法 (カッパ・サイエンス) . 光文社、1986年 19967月に光文社文庫で文庫化されている。

今関六也・大谷吉雄・本郷次雄(編著)日本のきのこ (山渓カラー名鑑).山と渓谷社, 1988年。2011年に増補改訂新版 が出されている。

内田正宏・川嶋健市(著)きのこ入門―見分け方と食べ方―.主婦と生活社, 1992

内田正宏(1995)「きのこ文学談義」に登場するキノコたち.岳父・南方熊楠『岡本 清造 (),飯倉 照平・原田 健一 ()』.平凡社,140-147

 

監修本

草土出版編集部(編)花図鑑 野菜+果物.草土出版、2008

 277-294頁にきのこの簡単な解説とその食べ方が載せられている。監修者一覧に内田正宏さんのお名前がある。内田さんの没後に刊行された書籍である。

 

週刊誌、月刊誌等でのきのこ特集の監修

週刊宝石 926日号 179-186頁、1986

 自然博物誌26 きのこ もう一つの“山のダイヤ”を賞味する

Outdoor(アウトドア) 11834-39頁、1986

キノコの先生内田正宏さんと行ってみた 毒キノコ探検!?

INTRO Ver 1.018-19頁、1993

「日本のキノコ導師 -グル- 小林義雄」

INTRO Ver 1.016-17頁、1993

キノコ入門 

 

通信講座テキスト

日本園芸協会の2001年山菜・きのこ講座で基礎編ときのこ編のテキストでそれぞれキノコ料理について解説されている。またテキストの監修者としてお名前が挙げられている。

 

(財)日本森林文化協会でのきのこ講座の講師

2000年8月3日付の手紙で、ここ数年はきのこ講座やきのこの採集観察会で講師を務めているとありますが、詳細は不明です。

 

内田正宏さんを紹介している記事

済生 「恩賜財団済生会」

佃 有(著)キノコのシーズンで多忙な内田正宏さん 76970-71頁、2000

朝日新聞 19901014日 東京本社 日曜版2面 

イキぬきイキがい 内田正宏さん 「味につられキノコ界に身」

’91家族で楽しむアウトドアガイド るるぶ情報版325 日本交通公社出版事業局、 43頁 1991

自然の中、出会いを楽しむ“キノコ先生”の優雅な日々

 

内田正宏さんへの追悼文

変形菌 No.23  98-1052005年 で7名の変形菌研究会会員が内田さんの思い出を語っておられます。

 

以上

2024年12月19日木曜日

チーズ作りで使われるリネンス菌(細菌)は枯草菌の仲間ではありません!


NPO法人カビ相談センターの会報「かびと生活」に輸入チーズ専門店の方が、

フランスでは エポワズ、マンステール、リヴァロ などがよく知られています。外皮が赤目のレンガ色をしていて、少し粘り気のある香りの強いチーズです。これらは納豆菌の仲間だと言われているリネンス菌(バクテリア)によって熟成されるチーズです。

と書かれていた(かびと生活 8巻 20-23頁 2015年)。

以下に示すようにリネンス菌は枯草菌の仲間ではありません

Domain: Bacteria

Phylum: Bacillota

Class:     Bacilli

Order:    Caryophanales

Family:   Bacillaceae

Genus:   Bacillus Cohn


Domain: Bacteria

Phylum: Actinomycetota

Class:     Actinomycetia

Order:    Micrococcales

Family:   Brevibacteriaceae

Genus:   Brevibacterium 


この記事を見てなぜこのような誤解が生じたか興味を持ち、少し調べてみたがわからず仕舞いであった。

最近改めてリネンス菌をWEB上で検索したところ、リネンス菌を枯草菌の仲間としている記事が以下のようにヒットしてきた。

 

表面を塩水やお酒で洗いながら熟成させるチーズです。納豆菌の仲間である「リネンス菌」が独特な風味、香りをつくりだしますが、中身はしっとり深い味わい。通向きのチーズともいえます。

 

さてウォッシュチーズを語るのに欠かせないのが、その独特な"匂い"ですね。調べてみると納豆の匂いだったり、脱ぎたての靴下のにおいだったりと散々な言われようですが、実際リネンス菌は納豆菌の遠い親戚のような菌なので、あながち間違ってはなかったり...

 

塩水で2日おきに表面を洗って熟成したチーズです。表面のオレンジ色はリネンス菌という細菌がつくことで現れる色です。このリネンス菌は枯草菌の一種です。そのためチーズは独特の匂いとむちっとした柔らかさが出ます。しっかりと塩味をつけています。リネンス菌は蛋白分解力が強いので、美味しいピークは短めです。工房では美味しいピークに出荷しますので、すぐにお召しあがりください。

 

ウォッシュチーズの特徴は強烈な臭いですが、これはリネンス菌が外皮のタンパク質を分解することが原因です。実はリネンス菌は納豆菌と同種とされており、活性化することで臭いだけでなく風味を作り出します。そのため食べてみると、味はとてもマイルドです。

 

(3) ウオッシュタイプ 表皮にリネンス菌という微生物を付け、熟成させるものを言います。リネンス菌は塩分濃度の い場所を好む菌で、納豆菌と同じ種類に属します

 

名前のとおり、表面を塩水やお酒で洗いながら熟成させていくチーズで、匂いも強烈なものが多いのが特徴ですが、近年では匂いも味もマイルドなタイプも造られています。 オレンジがかった表皮は「リネンス菌」という納豆菌と同じ枯草菌の一種によるもので、表皮も洗う回数によって、ベタベタしたものから乾いたものまで様々です。 また、表皮に強烈な匂いがしても、中身は意外に優しいものもあり、決して匂いと味わいが比例しているわけではありません。とはいえ、通好みなチーズが多いのもこのタイプです

 

ウォッシュタイプは日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、塩水や地酒で表面の雑菌を洗いながら作るチーズで、匂いが強く独特の風味があるチーズです。現在ではBrevibacterium linens(リネンス菌)という菌を添加して作られることも多くなっています。その土地で作られる地酒で表面を洗って作るというのが特徴です。何故そのようなことをするかと言うと、簡単に言うとアルコール殺菌です。ワイン、ビール、ブランデーなどで表皮を洗い、リネンス菌の生育をコントロールします(塩水なども使われます)。リネンス菌は納豆菌の仲間で放っておくと臭くなるからです。いずれにしても癖が強いので初心者向けではありません。通が楽しむチーズと言えるでしょう。

 

日本ではあまり一般的ではありませんが、エポワスやポン・レヴェックが有名です。白カビ、青カビタイプのように見た目からカビに覆われているということはありませんが、実は表面を洗いながら熟成させるので湿気を好むリネンス菌(ブレビバクテリウム・リネンス)が繁殖し、独特の風味が生まれます。このリネンス菌は納豆菌の親戚のような菌で、増えすぎると納豆のような匂いがしてしまうとのこと。これを防ぐためにも定期的に洗ってやる必要があるのです。


表面にリネンス菌を繁殖させることで熟成させますが、納豆菌と同じ種類の菌なので強烈な匂いが特徴です。


このテクスチャーはリネンス菌が生み出す発酵作用ですとかチーズの教科書にはサラッと書いてあったりするんだけど、このリネンス菌(Brevibacterium inens)ってのは、枯草菌(こそうきん)というカテゴリに入るバクテリア。もうここまで書いて分かる人もいると思うけど、これは納豆菌の仲間なのだよ(ちなみに化粧も落とさずシャワーも浴びずぶっ倒れて寝た後に、もし野生のヒツジみたいなニオイがしてきたらそれは、このリネンス菌の仲間がつくったものなのだよ)。

きちんと調べずに孫引きですますのは止めましょう!

 

2023年12月14日木曜日

2023年2月11日土曜日

ももんが』の平成15年5月号で

 ももんが』の平成15年5月号で


「父の政治観」『ももんが』2002年12月号所収。

2023年1月24日火曜日

Mycotaxon 誌が休刊へ

編集長が病気のため退任、1年かけて新編集長を探す。

Please note: Mycotaxon 137(3) and 137(4) are delayed due to health issues. The issues are forthcoming, and we ask for your kind patience as our editor finalizes these papers.

We have made the tough decision to put Mycotaxon on HIATUS for the remainder of 2023. During this time we will be looking for a new editorial team. More information will be provided when we have news. In the meantime, if you have any questions, please contact us at mycotaxon.hiatus@gmail.com.


Mycotaxon 誌がこのまま菌学の世界から消え去ってしまわないことを願っているが、Mycotaxon 誌は静かに菌学の世界から去ってゆくことになってしまうだろう。

北大教授 アイヌ民族に対する不適切投稿

 北海道大学総長の声明を受けて、再度、貴大学と境信哉教授に申し入れをします|C.R.A.C.NORTH|note


境信哉教授のヘイトスピーチと陰謀論の資料

2023年1月23日月曜日

徳仁親王 著 テムズとともに



 南部古書会館の古書展で、均一本棚から拾い上げた一冊。

密林では最安値19,770円で出品されていた。