星野玲子は自分について「私の生活信条はね、ころんだっていいんですよ。長い人生、この人生険しいんですから。でも、その時は泣けるし、痛いですよね。でも、ゴールまで全力で走る。小意気な生き方は出来ないんです。いらぬスキャンダル、噂を立てられたり…。
恰好いい生き方は私には出来ないんです。まあ、私も女ですから、男性関係の失敗もよくあったし、仕事の上でももうイヤだと思った時も幾度もありました。泣きながらでも立ち上がって生き続けるべきだと…。だから器用に傷つかないで生きて行こうと思ったことはないんです」(星野玲子『「しぁんくれーる」…私の人生そのもの』「jazz1975年8月号」(ジャズピープル社、1975年))と話している。店名の由来について、オーナーの星野玲子(1927-1996)は「「しぁんくれーる」とはフランス語で「明るい田舎」という意味で、その頃の河原町荒神口はひなびた感じで、喫茶店をやるような感じの所ではなかったんですよ。今でこそ周辺部も随分と開けましたけど…。それと、「思案に暮れる」というのが偶然に…。別に思案にくれるという意味で付けたわけではないんですよ」(星野玲子『「しぁんくれーる」…私の人生そのもの』「jazz1975年8月号」(ジャズピープル社、1975年))と説明している。
「実は星野玲子氏の父は、独創的な学習法として今も学習参考書が発行されている「チャート式」の創案者、星野華水(半五郎)だった」「星野氏は名家の令嬢だった」(『しぁんくれーるの美女㊦令嬢の変転』「京都新聞2019年5月16日」(京都新聞社、2019年))とされる。