デヴィ・スカルノ回想記 栄光、無念、悔恨
ラトナ サリ デヴィ・スカルノ (著)
草思社 2010/10/6
235~236頁
パリで十年生活した後、私は再びインドネシアへ腰を落ち着けることになった。きっかけとなったのは、ハルティニとスカルのあいだに生まれた三男、タウファンの結婚式だった。ハルティニが、スカルノ家の慶事だから、ぜひ出席してくださいと招待状を送ってきたのだ。1979年のことだった。
タウファンの結婚相手はなんと、日本人の血を引くバンドンのお嬢さんだった。レヴァナという名のそのお嬢さんの母親は、日本女性とロシア男性のあいだに生まれた混血で、彼女は四分の一、日本人の血を受け継いでいた。お母さんは一九五〇年代にミス・インドネシアに選ばれたほど美しい人で、レヴァナはその美貌を受け継いでいた。
レヴァナの父親は、スカルの時代の西ジャワ警視総監エノッホ・ダノブラダの息子で、
ダノブラダ警視総監夫妻がスカルノ大統領と親しかったので、私はたまたま大統領の生前に何度かバンドンのお宅を訪ねたことがあり、小さい頃のレヴァナにも会ったことがある。
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